LOG IN

春の詩集|あんのくるみ

by ツカノマレーベル

「春の詩集」

審査員作品 by あんのくるみ

春は、泣きそびれてしまうのです

お日さまがやさしいから

風がおだやかだから

花も草も彩りがあって

つい泣きそびれてしまうのです

悲しみが心にあったのに

寂しみが肌にあったのに

春は、泣きそびれてしまうのです

産まれたばかりの仔猫が

庭を飛びまわる蜜蜂が

朝のひばりがにぎやかで

つい泣きそびれてしまうのです

悲しみが心にあったのに

寂しみが肌にあったのに

だから人は旅立ちに、

きっと春を選ぶのです

悲しみに溺れないように

寂しみに凍えないように

それでも泣いてしまいそうなら

悲しむ心に木漏れ日を

寂しむ肌に陽だまりを

OTHER SNAPS